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2015年06月06日

早く浅い呼吸はなぜ危険?

水中でストレスを抱えた人や、パニックになりそうな人は「早く浅い呼吸」になりがちです。この状態を放置していると、意識の混乱を引き起こしたり、さらに呼吸を加速させた結果二酸化炭素レベルが増加して意識喪失につながることもあります。

水中では、バディや自分の呼吸をよくチェックしておくことがトラブルの防止に役立ちます。

水中では「ゆっくり、深く呼吸する」ということはダイビングの基本ですが、なぜ「ゆっくり、深く呼吸する」ことが大切なのでしょうか。

そもそも、普段の呼吸でも、副鼻腔、気道、気管支などが呼吸死腔(ガス交換ができない部分)を形成していますが、スキューバやシュノーケルはそれにプラスして呼吸死腔を大きくすることになります。

深度下での濃い空気はスムーズに流れにくく、流れる速さが増すにつれて呼吸抵抗も増えますし、ごつごつした器材や気道・気管支などを流れる時には、通路の壁面に接触して乱流が生じるため呼吸抵抗が増します。

乱流による呼吸抵抗を克服するためには、多くのエネルギーが消費されるため、ダイバーはゆっくりと呼吸することで乱流によって気道内に生じる抵抗を最小限にしなくてはなりません。

また、呼吸時には前回呼吸した空気で、空気の通路に残っているものが再び肺胞に送られます。この空気には二酸化炭素が多く、新しく入ってきた空気とミックスされ、結果としては肺胞内の空気は二酸化炭素が多くなります。さらに、深度下では、水圧が胸部を圧迫するので、1回換気量も20%程度減ってしまいます。

ダイバーがゆっくり深い呼吸を忘れてしまった結果、一回換気量が少なくなり、肺胞内で新鮮な空気に比べて死腔内の空気の割合が多くなってしまうと、ハイパーカプニア(二酸化炭素過剰)が起こります。
肺胞内、血液中で二酸化炭素レベルが増加すると、頭痛、意識の混乱を引き起こし、呼吸を加速させます。二酸化炭素レベルの増加に気づかないでいると意識喪失につながることもあります。



 
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