てぃーだブログ › seamoon  ~ やっぱり海が好き!! ~ › 初級ダイバーから卒業 › ダイビング後の耳抜きは危ない?

2015年06月06日

ダイビング後の耳抜きは危ない?

たまに、ダイビング後の船上などで、「今日は耳が抜けにくかったなぁ」などと言いながら耳抜きをしている人をみかけます。浮上後に耳抜きをしても意味がない上、「動脈ガス塞栓」になる恐れがありますので、やめましょう。

「動脈ガス塞栓」は減圧障害のひとつで、潜水後に静脈系に生じたサイレントバブルが動脈系に移行して脳の血管などに詰まる場合などをさします。

減圧症は水深6m以下ではならないとされていますが、「動脈ガス塞栓」は水深3mに潜水するとなる可能性があります。

「卵円孔開存」という言葉を聞いたことがありますか?

「卵円孔開存」とは、胎児期の左右の心房の間にあいていた孔が残ってしまったもので、1割程度の人にあります。

ダイビングで生じた静脈内の気泡は、静脈内を流れ、左心房に流れ着き、左心室から肺に送られます。

静脈内で発生した気泡は、肺の毛細血管を通過することができないため、それ以降他の場所に流れることはありません。

しかし、卵円孔が存在すると、右心房に流れ着いた気泡は、左心房に流れ、左心室から全身に流れ出る可能性があります。特に気泡が脳や脊髄に送られるとそこで塞栓となり、神経細胞に傷害が生じます。

ただ、卵円孔が開存していても、通常は左心房の方が右心房より圧力が高いために、右心房の気泡が左心房に流れることはなく、脳や脊髄の塞栓を生ずることはありません。

バルサルバ法などの耳抜きなどで、胸郭内の圧力を変化させると、心房間の圧力差に変化が起きて乱流となり、気泡の一部は全身へと送られてしまう可能性があります。

潜水後に、素潜りなどをして耳抜きをする場合も同様の危険がありますので注意してください。

また、耳抜き以外でも、咳や、トイレで「いきむ」などの行為にも注意が必要です。



 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。